激変!3大士業の仕事&稼ぎ方 弁護士 会計士 税理士#7Photo by Yasuo Katatae

売上高6位で準大手の東陽。上場企業や官民ファンドなどの監査を引き受ける名門だ。ところがこの1年、検査と訴訟対応に追われるなど、揺れに揺れた。そして24年2月に開催された定時の社員会で、ある幹部人事が公表された。内部で何が起こっているのか。特集『激変!3大士業の仕事&稼ぎ方』(全12回)の#7では、その深層に迫った。(ダイヤモンド編集部副編集長 片田江康男)

高まる監査法人の再編機運
業界6位の東陽の“異変”とは

 監査法人はかつてない激動の中にある。監査の厳格化と会計士不足によって監査コストは上昇し、それが監査報酬の値上げにつながっている。値上げをのめない上場企業は、より安い監査報酬の監査法人へと変更している。

 また金融当局による監査法人の検査も厳しくなっており、金融庁による処分は増加傾向だ。

 こうした厳しい環境を乗り切るため、本特集の#2(『監査法人再編の嵐!PwC Japan発足で「大手4+準大手4」体制発進も、行政処分連発や会計士不足で風前の灯火』)で解説したように、監査法人は再編へと動きだしている。

 四大監査法人と準大手4法人の中で、売上高で業界6位の準大手監査法人である東陽は、以前から再編へ向けて積極的な考えを持つ。次の再編の核となる可能性が高く、その動向が注目されていた。

 ところがその東陽ではこの1年、法人内で異変が起こっていた。次ページで詳しく解説する。