司法試験や公認会計士試験に劣らない難関試験である税理士試験。その試験を一部免除されるのが、試験科目免除大学院への進学だ。今や税理士資格取得への最も有力な近道であり、「王道」ともいわれている。そこで、『激変!3大士業の仕事&稼ぎ方』(全12回)の#9では、最新版の入試難易度と共に、試験科目免除大学院のリストを大公開する。(ダイヤモンド編集部副編集長 片田江康男)
税法科目が2科目免除される
税理士資格取得の「王道」とは
税理士資格取得には、会計学2科目(「財務諸表論」と「簿記論」)と税法3科目(「法人税法」と「所得税法」のいずれか1科目は必須)の、合計5科目の合格が必要だ。
だが、大学院修了によって、税法2科目が免除される制度がある。この大学院ルートは今、税理士資格を取得する最も効率的かつ最短な「王道」となっている。
5科目全ての試験に合格した者は、官報に氏名が掲載されるため「官報合格者」と呼ばれるが、その割合は2023年度の税理士試験合格者のうちわずか8.4%しかない。かつては官報合格者が当たり前だったが、今ではかなり珍しいため、官報合格者は税理士の間で尊敬を集める存在となっている。
大学院ルートで税法3科目のうち2科目の免除を受けるには、「租税法」に関する一定の単位を修得して修士論文を書き上げ、その修士論文が国税審議会で認められることが条件だ。残る1科目は、自分の好きな税法科目で合格を目指せばよい。
では、その試験科目を免除される大学院はどのように選べば良いのか。次ページでは、最新の入試難易度を加えたリストとともに、選び方のポイントを伝授しよう。