高評価だが「不満」も
回想シーンの挟まれ方の是非
「映画.com」での星は3.8で、なかなかの高評価を得ている本作だが、不満として挙げられる点を抽出すると、主に次の2つとなる。
一つは、「各所に挟まれる回想シーンが試合のテンポを悪くしている」である。試合の進行にグッと引き込まれているのに回想が始まって肩透かし――と劇中に何度か感じた人もいたようである。
もう一つは、「1点がサクサク決まって試合のテンポが早すぎる。もっとじっくり見たかった」というものである。これは、「原作未読・テレビアニメを視聴」のファンが抱きうる感想のようである。テレビアニメはもう少し1点1点が丁寧に描かれるので、それとテンポ感がかなり異なる劇場版には戸惑いを覚える人もいる。
なお、これらを不満点として挙げている人も、アニメーションの迫力や声優の演技は素晴らしかったと口を揃えて言っていた。
と、一応不満も紹介はしたが、筆者にとっては星5であり、原作ハイキューの魅力を十全に伝えてくれた素晴らしい映画化作品であった。序盤から何度も目頭をティッシュで抑えていたのだが、その動作をあまり頻繁にやるのもはばかられて、やがて涙は流れるままにして、喉のあたりに涙が溜まってきたら時折それを拭うスタイルに落ち着いた。それほどよく泣いたということである。
万人に情熱を思い出させてくれる本作であるから鑑賞をぜひ勧めたいが、青春の切なさや時間の有限性をより強く味わいたい人は劇場に足を運び、劇場版ハイキューならではの映画体験を、ぜひ堪能してほしい。