倒産危険度ランキング2024&初公開!企業を倒産させた金融機関ランキング#35Photo:amtitus/gettyimages

メガバンクに地方銀行、第二地方銀行、信用金庫に信用組合――。全国472金融機関が、これまでどれだけメインの融資先企業を倒産させてきたのか?ダイヤモンド編集部の独自調査を初公開。特集『倒産危険度ランキング2024&初公開!企業を倒産させた金融機関ランキング』の#35では、第12弾として、栃木県の金融機関を取り上げる。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

栃木県でメイン先企業を最も倒産させてきた銀行は?
足利銀行、栃木銀行が倒産させた企業は何社?

 栃木県内で最大の金融機関でありながら、2003年11月に経営破綻し、一時国有化の憂き目を見た足利銀行。破綻の原因は、過剰融資による不良債権の増加だった。

 同行の経営破綻から既に20年が過ぎた。この間、同行の持ち株会社である足利ホールディングス(HD)は、13年に東京証券取引所で再上場を果たす。16年には足利HDと常陽銀行(茨城県)が経営統合して、足利銀行はめぶきフィナンシャルグループの傘下行となった。

 経営破綻の経験を踏まえ、足利銀行の法人向け融資は抑制傾向にある。22年度の貸出金は破綻前の02年度を下回っており、不良債権比率も低水準だ。

 一方、個人向け融資には力を入れており、20年間で住宅ローンなどの貸出金を2.8倍に増やしている――。

 経営危機に陥った企業が倒産するのか、それともしないのか。その際に重要な鍵を握るのがメインバンクとなる。

 メインバンクとは通常、貸出金のシェアが首位で、当該企業と長年にわたって親密な関係にある銀行のことを指す。ただ、企業側と銀行側で認識が異なっているケースもある。

 今後、倒産件数の増加と金融機関の融資姿勢が厳しくなることは必至とみられているが、どの銀行が今後、企業に厳しく臨むのか。それを知るには過去に注目するとよい。その銀行の将来の行動を最もよく表しているのは、口先のきれい事ではなく過去の行動なのだから。

 メガバンクに地方銀行、第二地方銀行、信用金庫に信用組合――。全国472金融機関が、これまでどれだけメインの融資先企業を倒産させてきたのか。ダイヤモンド編集部が独自に調査し、その結果をまとめた「企業を倒産させた金融機関ランキング」を初公開する。

 第12弾の今回は、栃木県の金融機関を取り上げる。足利銀行、栃木銀行のほか、足利小山信用金庫などの信用金庫も名を連ねた。

 ちなみに「企業を倒産させた社数が多い都道府県ランキング」は、下表の通りだ。地銀や信金、信組など主な金融機関の内訳も明記したので、ご覧いただきたい。

*「メインバンクとして倒産させた社数の合計」は2020年1月~23年11月の合計値で、ダイヤモンド編集部調べによる推計。負債総額1000万円以上、法的整理による倒産が対象。都道府県別の倒産社数の合計は、金融機関の本店所在地ベースで数えた。例えば、東京都に本社を置く企業が倒産してもメインバンクが埼玉県の銀行なら、埼玉県の倒産社数としてカウントしている。主な金融機関の内訳で省略した都市銀行は、東京都が3行、大阪府が1行。政府系金融機関二つと信託銀行1行、その他金融機関(旧長期信用銀行)2行は、いずれも東京都

 ランキングは、これから数十回にわたって配信していく。全都道府県と全金融業態を網羅した完全版を含めて、さまざまな視点でお届けする予定だ。それでは早速、今回の栃木県の結果を確認していこう。