早稲田大学や慶應義塾大学、MARCH(明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学)など、有名私立大学の付属・系列校の人気に陰りが見え始めている。2024年入試の志願者数が前年比で1000人以上も減ったからだ。特集『わが子に最強の中高一貫校&塾&小学校』(全46回)の#8では、その背景に迫った。(ダイヤモンド編集部 大根田康介)
「隔年現象」が顕著に
7校が2年連続で減少
付属校の中学入試について、安田教育研究所の安田理代表は「2023年と24年を比較すると、隔年現象が顕著に現れた」と分析する。
隔年現象とは、前年に人気が高かった学校は翌年に敬遠されるため受験者数が減少し、その逆もまたしかりという傾向だ。
関東の主な私立大学付属・系列校における志願者数の推移と増減率を見てみると、25校中17校で隔年現象が見られた(各校の増減表は次ページ)。
一方、早稲田高等学院中学部、慶應義塾普通部、立教新座、中央大学附属横浜、日本大学、日本大学第一、東洋大学京北の7校が2年連続で減少した。唯一、早稲田だけが2年連続で増加した。
また、全体の志願者数は2年連続で減少し、24年は23年比で1000人以上も減った。付属校人気が頭打ちになったともいえるが、個別の事情もあるようだ。
次ページでは、24年入試において、首都圏名門大付属校の志願者数が大きく減少した理由を探り、競合相手の存在を明らかにする。