わが子に最強の中高一貫校&塾&小学校 2025年入試対応#7
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2023年入試から第3次“中受”ブームが到来したといわれる関西。直近24年入試では、その過熱ぶりがより際立つ結果になった。高校の授業料完全無償化によって、受験率のさらなる上昇が見込まれている。特集『わが子に最強の中高一貫校&塾&小学校』(全46回)の#7では、大阪・男子御三家が総崩れとなった24年の関西における中学入試を分析するとともに、25年入試で難化が見込まれる学校を探った。(ダイヤモンド編集部 宮原啓彰)

関西の24年中学入試は受験者数、受験率とも続伸
難関回帰、共学校人気の動きが強まる

 2023年入試で首都圏の中学受験ブームが波及したといわれる、関西2府4県。その直近24年入試の受験者数は、小学6年生の人口が減っているにもかかわらず1万7312人と、前年から33人増加し、受験率も14年ぶりに10%の大台を突破した前年を、さらに0.16ポイント上回る10.17%となった。

 この状況を「第3次“中受ブーム”が到来した」とみるのは、日能研関西の森永直樹取締役だ。

「少子化によって受験者数は今後、頭打ちになるとみられるが、小学校低~中学年の受験熱が高いことから、受験率の方はしばらく右肩上がりが続くだろう。関西の受験率の最高値は第2次中受ブーム、07年の10.4%で、その水準に近づく可能性はある」(森永氏)

 その関西における24年入試の特徴は、難関校回帰と共学校ブームに集約される。

 希学園の黒田耕平学園長は、「新型コロナ禍の拡大時は府県をまたいでの通学を敬遠する動きが強く、最難関校を中心にチャレンジ受験が減っていたが、24年入試では難関校の多くで受験者数が増えており、コロナ禍前の状態にほぼ戻った」と総括する。

 また、「関西の中受トレンドは、首都圏の後追いが常。少し前に首都圏で共学校人気が高まった結果、多くの男女別学が志願者を減らしたが、それが関西にも波及し、24年入試で共学校人気がピークに達している」と、浜学園の松本茂学園長は振り返る。

 次ページでは、灘中など関西最難関9校の24年入試を分析。さらに、高槻や滝川、須磨学園、雲雀丘学園など人気校と関関同立付属校で起きた優勝劣敗を探るとともに、高校授業料無償化の影響必至とされる25年入試の行方を占う。