推理小説が好きな人は、謎解きの瞬間のワクワクする楽しさも知っているはず。ビジネスパーソンが仕事で行うプレゼンテーションやセールストークの中に、謎解きのようなワクワク感を盛り込み、相手を夢中にさせるテクニックを、『「よい説明」には型がある。』の著者、犬塚壮志氏が解説します。(大学受験専門塾「ワークショップ」情報科講師/株式会社士教育代表取締役 犬塚壮志)
「謎はすべて解けた!!」のワクワク・ゾクゾク感
「謎はすべて解けた!!」
このフレーズを聞くと、ゾクゾクしてしまうのは私だけでしょうか。小学生の頃から大好きなコミック、『金田一少年の事件簿』の主人公・金田一一(きんだいちはじめ)の決めゼリフです。推理マンガの代表作ですね。
私は昔から推理物が大好きで、江戸川乱歩の『少年探偵団』などの推理小説も、子どもの頃から毎日のように読みふけっていました。こういった推理ものの醍醐味は、なんといっても事件の「種明かし」の瞬間。謎解きの解説を聞く瞬間のワクワク感は、筆舌に尽くし難いですよね。
誰かに何かを伝えるとき、聞き手がこんなにワクワクしてくれたら最高だと思いませんか? 今回は、まさにこの「種明かし」の技術を使い、相手を夢中にさせる説明のフレームワーク「因果の型」を紹介します。
因果の型とは、一言でいうと、「原因と結果」の関係性を明かす説明のフレームワークです。この型を使うコツは、“結果から話すこと”です。その後に原因を一つずつ紡いでいきます。“先出しの「結果」に、後から話す「原因」が次々につながっていく”という順番を覚えておいてください。
・「結果は、○○でした。その原因は、……」
・「結果としては、○○です。その原因なのですが、……」
・「○○というのが結果です。原因として考えられるのは、……」