顧客の悩みを聞いたら
企画内容を「チラ見せ」せよ!
顧客の課題がつかめてくると、企画内容を「チラ見せ」するのが手だという。コンセプトをまとめた資料の一部を見せ、「もしこのような商品があれば、御社の課題を解決できますか?」と聞いてみるのだ。これも仮説検証の一環である。
ただし、この段階でも「買っていただけますか?」と直接的な質問をするのは悪手である。先方から率直な意見を聞き、もし「解決できない」ようであれば、フィードバックを踏まえて企画案を練り直すべきだ。
一方で、「解決できる」という前向きな答えを得られれば、ここが切り札を出すタイミングである。「もし今、この商品があれば、検討してもらえますか?」と単刀直入に聞いてみるのだ。良い返事が得られれば御の字。もし厳しい答えがあったとしても、その取引先の本音を、企画案のさらなる改善につなげればいい。
このように、顧客分析は「質」が大事だというのが大崎氏の哲学である。いきなり購買意欲を聞いたり、漠然とした質問を投げかけたりするのではなく、工夫しながら仮説検証を重ねることが、顧客の本音を引き出す上で大切になる。そして、その取り組みが「売れる商品」の企画につながるというわけだ。