商品の価格は
原価から決めてはいけない!?
そこまでの質問ができる取引先ならば、深い信頼関係を築けている。場合によっては、「この商品を導入できれば、○○円に相当する機会損失を解消できるので、△△円までなら出せますよ」「新たに××円の価値を生み出せるので、□□円なら買いますよ」などと忌憚なき意見を聞けるはずだ。
顧客が提示した値段が高ければ高いほど、その商品に価値を感じているということになる。もしかすると、もともと想定していた価格を上回っているかもしれない。
一般的な企業は原価をもとに商品価格を考えがちだが、「キーエンス流」の発想では顧客にとっての「役立ち度」も加味して決定する。だからこそ、キーエンスの商品は高価でも買われ、冒頭で述べた驚異的な利益率をたたき出せるというわけだ。
商品の作り手は、このような仮説検証を繰り返し、取引先の本音を知ることで「狙っている市場の中にどれくらいの顧客がいるか」「価格はいくらが妥当か」「販売したらどの程度の収益が見込めそうか」といった手応えがつかめてくる。「無策」で商品を世に出す場合と比べて、ヒットする確率も格段に上がるのは言うまでもない。
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