以下の表に、不気味な事件が起こった舞台、作品中に登場する怪異体の種類と行為、怪異事象に対する露伴の行動についてまとめてみました。これらの要素はいずれも「モティーフ(*)」と呼ばれるものです。
(*)…編集部注:物語を構成する要素のうち、ストーリー(物語の内容)に影響を与える「記号的な意味」を持つものの総称
![表2 『岸部露伴は動かない』1巻の各話モティーフ](https://dol.ismcdn.jp/mwimgs/3/4/600/img_349b3f075fcf07ed7113a684f8516ae4399598.jpg)
『岸辺露伴は動かない』シリーズにおいて、露伴はあくまでも怪異体に対する「直接的な敵対者」ではありません。収録5作品のいずれの話においても、露伴は怪異を取材する側の人、あるいは怪異に遭遇した人物の「付き添い人」という立ち位置です。
「動かない」というこの作品タイトルのとおり、作中で露伴は、自分に危険が迫るほど状況が悪化するまでは、「単なる怪異の目撃者」として振る舞い続ける……それがこのシリーズの特徴です。