圧倒的な客単価の秘密

コメダさん、やりすぎだって!異次元のボリュームと「ワケのわからなさ」に完全に持ってかれたPhoto by Kenichi Ogura

 店舗数は1004店(2024年6月4日現在、公式HPより)に達し、スターバックスコーヒー(1917店)や、ドトールコーヒー(1063店)を猛烈に追いかけている。数年以内にドトールを抜かしそうな勢いだが、もし追い抜いたら日本中が驚くことだろう。

 日経新聞(2023年9月6日)によれば、《週末のお昼時、名古屋市の都心部・栄周辺にある3大チェーンの店舗で記者が合計100人の来店客の注文を観察した。ドトールコーヒーショップの客単価は約530円、スタバは約570円だったのに対し、コメダは約850円で客単価の高さが際立つ》結果になったという。

 コメダの強さはどこにあるのだろう。

 私は、日本国民の名古屋への「違和感」が、そのまま強みになっているのではないかと感じる。コメダは、従業員がテーブルで注文を取って商品をサーブするフルサービス方式だ。

 スタバやドトールに慣れた私たちにとって、レストランにも似た特別な「喫茶店」に見える。ライバル喫茶店に比べて客単価が圧倒的に高いものの、レストランと思えばかなり安く使えるのだ。

 看板商品ともなった「シロノワール」や、ちゃんとしたレストランで食べれば2000円以上はするだろう「ペッパーポークとたまごの具沢山サンド」など、ボリュームがすごく多くて、すぐにお腹いっぱいになる。

 ドリンクにトーストとゆで卵が無料で付くモーニングサービス、その他の時間帯は豆菓子が付くおつまみサービス、熱々のおしぼりの提供など、低コスト・低サービスに慣れた私たちに、びっくりするような特別感を与えてくれている。内装はログハウス風のつくりで、木材やレンガを多用している。お客が座るのは、ベロア生地のソファ席だ。