株高の“恩恵”を最も受けた日銀
保有ETFの処理、金融政策正常化の懸案
日本銀行は3月の金融政策決定会合でマイナス金利解除やイールドカーブコントロール(長短金利操作)の撤廃とともに、ETF(上場投資信託)やJ-REITの買い入れ停止などを決め、金融政策の正常化に踏み出した。
日銀は、当面は緩和政策を続けるとしているが、今後、利上げをどの程度のペースで進めていくかとともに、注目されるのが、これまでの量的・質的緩和策で購入した巨額のETFの処理だ。
日経平均株価は2月22日に終値でバブル期の最高値を更新した後も上昇を続け、3月4日には史上初めて4万円台に乗せ、22日には一時4万1000円台にまで上がった。
今回の株高は多くの投資家に恩恵をもたらしたが、最ももうけたのは、最大の日本株保有者とされる日銀だろう。日銀が保有するETFの含み益は2月末時点で34.2兆円にもなっている。
この「埋蔵金」をどう活用するのかは、「株価買い支え策」として、賛否両論が分かれてきた日銀のETF買い入れを評価するもう一つのバロメーターになる。