(2)離農する農家が農地を手放しやすくする
国営農業を立ち上げるにあたっての最大かつ喫緊の課題は、私のような離農家族が平らな農地を太陽光発電所にしてしまうのをいかに止めるかです。
これは結構難題であると同時に、政府ならば解決できる課題でもあります。
それは農業を止めた農家が、農地転用して太陽光発電を始めたほうが儲かるという構造を断ち切ればいいのです。
経済の視点で単純化すれば、自前で太陽光発電をして得られるよりも農地を国にリースした方が収入が増えるようにすればいいはずです。
農家が太陽光発電を自前で始めるためには、借金をして初期投資が必要になります。途中で災害が起きてパネルが破損するようなリスクもありますし、昨今では銅線が盗まれて事業が立ち行かなくなるケースもあります。
それよりも毎年、一定額が国からリース料として支払われるなら、その方が農家にとっては楽です。農家が国営農業体に対して不動産賃貸を始めるように政府が促すのです。
リスクは国がすべて追うことにして、場合によっては営農型太陽光発電施設のように、農業をしながら太陽光発電も同時に行うような形で国が農地を使うこともできるようになるとします。要するにわかりやすく簡単に儲かるスキームを作れば、農家もその話に乗りやすくなるのです。