「疲れがとれない」「首こり肩こりがつらい」「腰が痛い」などの不調の原因は「体のゆがみ」にあった。利き手・利き足からゆがみは生じるため、いつも右手だけでカバンを持つ習慣を改めるだけでも体は正常な状態になるという。本稿は、久保田武晴『疲労がふっ飛ぶ!10秒ゆがみリカバリー』(自由国民社)の一部を抜粋・編集したものです。
体のゆがみは日常の
体の使い方で起きる
自覚症状はないかもしれませんが、ほぼすべての人は、どこかしら体がゆがんでいます。激しいスポーツをしている人や腰痛・肩こりがある人はもちろんのこと、体中どこも痛くない、健康そのものという方でも、調べてみれば多少はゆがみが必ず存在します。体にゆがみがまったくないのは、生まれたての赤ちゃんくらいでしょう。
なぜ大部分の人にゆがみがあるのかと言えば、筋肉の使い方が前後左右で非対称だからです。スマホの操作ひとつとっても、左手の方が操作しやすい人は左手ばかり使うし、右手の方がいい人はいつも右手でスマホを持ちます。そのように左右非対称に体を使っていると、特別なことをしなくても体は少しずつゆがんでいくのです。
しかも、ゆがみは蓄積します。高齢者ほど腰が曲がっていたり、体のあちこちが痛いと訴えるのは、長年ゆがみを直さずため込んできた結果と言えます。
とはいえ、ゆがみの度合いと年齢は必ずしも比例するわけではありません。重要なのは年齢よりも体の使い方です。高齢でも体の使い方に前後差・左右差が少ない人はゆがみも少ないし、若くてもサッカーで左足でばかりボールを蹴っているような子は、ひどくゆがんでいたりします。
そこで、日常のどのような動作が体をゆがませるのか、ゆがみが生じるメカニズムを掘り下げて解説していきます。
体のゆがみは「骨盤」と「肋骨」から
始まって「背骨」にもダメージを与える
体のゆがみは体中のあらゆる場所で起こりますが、特にゆがみやすいのが骨盤と肋骨です。この両者の状態は、体のゆがみ度をチェックする重要な指標となります。
なぜここにゆがみが出やすいかというと、骨盤と肋骨は体の中心にあるため、左右非対称な動きをしたときに負荷がかかりやすいのです。
しかも、骨盤や肋骨がゆがむと、それに引っ張られて背骨もゆがんでいきます。背骨がゆがんでいる人はたくさんいますが、その何割かは、いきなり背骨がゆがんだのではなく、最初に骨盤や肋骨がゆがみ、その結果として背骨もゆがんでしまったパターンだと考えられます。
椎間板ヘルニアなど、背骨のゆがみに起因する病気の数々も、元を正せば骨盤や肋骨のゆがみから来ていることが多いのです。