上にした方の足は、腿部が外旋し、もう片方は内旋します。外旋とは、つま先が外側に向くように、骨を外側にねじる動作のことであり、内旋とは、つま先が内側に向くように、体の内側に向かってねじる動作のことを言います。

 さらに足を組むと骨盤が後傾し、左右で骨盤の高さが変わってきます。すると重心が片側に偏るので、背骨の中でも腰の部分にあたる腰椎が左右に曲がってしまいます。前項で述べたように、骨盤のゆがみにつられて背骨もゆがんでしまうわけです。

 このように複雑なゆがみを生じさせる足組みですが、必ずしも体に悪いとはかぎりません。もともと体がゆがんでいる人が、無意識レベルでゆがみを修正しようとして、ゆがみを直す方向に足を組むこともあるからです。

 実際に、右足を上に足を組んだときに生じるゆがみは、左足を上に足を組みかえて逆側にゆがませることで、プラスマイナスゼロにできる場合があります。ですから足を組むクセがある人は、そのクセをなくすというよりも、右足を上に組んだら次は逆に組むことをふだんから意識するといいでしょう。

片足に体重をかけて立つと
骨盤が後傾してしまう

 あなたは電車内で立つときや、列に並んで順番待ちをするときなど、どのような姿勢で立っていますか? 片足だけに体重をかけて立つクセがある人もいるのではないでしょうか。

 これも足組みと同じように体の片側にだけ負荷をかける挙動なので、続けていると体がゆがんでしまいます。

 特に影響を受けるのが、体重がかかっている側のお尻の筋肉(大臀筋)や太ももの後ろ側の筋肉(大腿二頭筋)です。これらは骨盤とつながっているので、大臀筋や大腿二頭筋が緊張すると骨盤もそれに引っ張られて後傾していきます。

 骨盤が後傾すると、重心が後ろになるので、バランスを取ろうとして背中が丸くなります。さらにその影響で肩や首にもこりや痛みが出ます。

右手でカバンを持ったとき最も負荷がかかるのはどこ?体の歪みを直す超簡単テクニック片足に体重をかけるだけで思わぬ症状が。本書より転載/Illust:(C)徳丸ゆう
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 しかもこの場合、骨盤は平衡を保ったまま後傾するのではなく、体重をかけた側だけが強く引っ張られるため、前後左右にゆがみが生じます。左側の骨盤が後傾すると、脊柱は回転するように力が加わり、背骨の一番下にある仙骨から腰椎がねじれていきます。