このことは逆もまた然りで、骨盤と肋骨のゆがみを直すと、背骨を含む体全体の状態が整っていくということはよくあります。背骨のゆがみは自律神経失調症などにもつながるため、まずは背骨を何とかしたいと思う方は多いでしょうが、ゆがみ方によっては骨盤や肋骨からアプローチした方が効果的な場合もあるのです。

右手で箸、左手でお椀といった
利き手が「ゆがみ」の始まり

 体の使い方が左右で非対称になってしまう一番の理由は、利き手・利き足があるためです。右手で箸を持って、左手でお椀を持つ──この時点ですでに体の動きは左右非対称になっています。

 もちろん、それを直しましょうとは申しません。いくらゆがみを予防するためとはいえ、両手で交互に箸を持ち替えて食事をするのは無理があり、現実的ではありません。

 日常生活における挙動が左右非対称になるのは当たり前のことです。そこを直そうとするのではなく、体がゆがむのはある程度は仕方がないと割り切ったうえで、こまめにリカバリーすることが大事なのです。

 なお、体がゆがみやすい生活を送っている方──たとえば週に5日以上、デスクワークで同じ姿勢を取り続けている方や同じ作業を繰り返ししている方、肉体労働や激しいスポーツをしている方はより頻繁にリカバリーを実践してください。

同じ足を組み続けると
体全体が前後左右にゆがむ

 仕事中や食事中など、椅子に座って何かをするとき、無意識のうちに足を組んでいる人は多いでしょう。

 ほとんどの場合、足を組む人は左右どちらの足を上に持ってくるか決まっていて、逆に組むことは少ないはずです。それは、特定の足を上にした方がラクで、逆では組みにくいと感じるからです。

 そのように組みやすい足と組みにくい足がある時点で、体はすでにゆがんでいると考えられます。

 そもそも、足組みというのは日常生活の中でも特に大きく体をゆがませる動作です。

 足を組んだときの状態を表したイラストをご覧ください。

右手でカバンを持ったとき最も負荷がかかるのはどこ?体の歪みを直す超簡単テクニック交互に足を組み替えることでゆがみは改善。本書より転載/Illust:(C)徳丸ゆう 拡大画像表示


 足を組むと、体が前後左右に複雑にゆがむのがおわかりいただけると思います。