「使いきれていない感覚」の正体

尾原:ChatGPTを使いきれていない感覚は、多くの人が持っています。でも、それ以上に「親しみやすさ」を感じていない人が多いんですよ。

曽山:そうですよね。

尾原:「正解のプロンプトを入力しないといけない」と言いますが、そもそもChatGPTは汎用AIなので、どんな言い方をしても、何らかの答えに近いものを生み出してくれます。だから、本当は正解のプロンプトなんてないんです。

 それなのに、「失敗しちゃダメだ」という感覚を持っている人が多いので、まずは親しみやすさを感じていただきたかったんですよね。

曽山:それは大きいですよね。

伊藤:曽山さんも、「絶対に使えるよね」とわかりつつ、日常的には使わないハードルをお持ちだったんですね。

曽山:僕の場合、例えばわからない単語があったら、「とりあえずChatGPTに聞いてみよう」と思って聞いているので、日々使っているほうではありますね。

 また、マネージャー向けの研修で、最先端のマネジメントのトレンドを伝える時、コンセプトメイキングをしたい時に、「こんな概念なんだけど、いい言葉はない?」と言って、言葉の案を作る「壁打ち」として使っているんですよ。

 でも、「X(旧Twitter)」を開くかのようには活用していないなと感じていたので、もっと使える余地があることは、感覚的にわかっていたんです。

伊藤:なるほど。多くの人がそうなんだろうね。

尾原:僕たちは、「インターネット=検索」のようなイメージを持っています。「何かの説明をしてください」「回答をください」という使い方だと思い込んでいるところがあるんですよね。

曽山:そうなんですよね。