ChatGPTといった生成AIに対するフレンドリーさは持っているけど、使いきっているとは言いきれない感覚がありました。「もっと使いたいな」と思っている中で、帯にそう書いてあったので、「これは何かヒントがあるかも」と思いました。
本の最初に、生成AIの具体的な使い方が提示されていますよね。僕にはそれがすごく大事だったんです。
尾原:本当ですか?
曽山:はい。「まずはざっくり聞いて、そこから噛み砕いていけばいい」と言っていて、思考プロセスについては後半に書いてあるじゃないですか。この本の作り方は、すばらしいなと思いました。
伊藤羊一氏(以下、伊藤):なるほど。
曽山:孫(正義)さんの事例がありましたよね。「孫さんの本の要約をまとめて」とか、「孫さんのキャラクターを想定して、アドバイスを10個くらい書いて」とか。僕はやったことがなかったので、速攻で孫さんの本を要約しました。
尾原:実際にやってみたんですか? 早い!
曽山:やりました。藤田晋(サイバーエージェント代表取締役)の本の要約、さらには曽山哲人の本の要約をしました。僕の本の要約が、ドンズバだったんですよ。「これはすごい!」と思って、感動しました。
毎月、サイバーエージェントグループの人事が100人くらい集まる勉強会があるんです。僕から話をする時間があって、そこでまず、「『努力革命』がおすすめだから全員買ったほうがいい」と言いました。
伊藤:おお。
曽山:今チャットに入れたのは、僕が勉強会でみんなに送ったテキストです。まさに、『努力革命』で学んだことを書いて送ったんです。
まず、「生成AIは才能開花にものすごくプラスになるから、絶対に使ったほうがいいよ」と。「アイデアを出したい・俯瞰力を上げたい・時短したいと考えて困ったら、私はとりあえずAIに聞いているよ」と伝えました。
そして実際の質問例を挙げて、「サイバーエージェントの藤田晋さんの本と、その要約を探して、特に重要な内容を10個教えてください」と聞いたらすごく良かったから、1回やってみてほしいと言いました。
すると、みんな本を買ってくれたんです。
尾原:ありがとうございます。
曽山:僕の本を要約したのが、「ChatGPT-4 omni(オムニ)」のリリース直後だったんですよ。まだ触っていない人がけっこういて、みんなに「本のピックアップ」「本の要約」「アドバイス10個」を見せたら、「これはすごい」「こうやって使うんですね」となりました。生成AIを使う力が、もう一段上がったと思います。ありがとうございます!
尾原:いえいえ。今おっしゃった、「使いきれていない感覚」のお話と「参考としたい人の本を要約してもらって、そこからアドバイスをもらう」お話は、本を書く上で、ものすごくがんばったところです。だから、それぞれについてお話ししたいと思います。