減らすべき「アナログな努力」とは
尾原:サイバーエージェントのように、新しいことへの挑戦が多い会社は、新しいことをゼロから考えるのがけっこう大変ですよね。
曽山:そうですね。
尾原:羊一さんのベストセラーに、『1分で話せ』があります。
『1分で話せ』では、「ロジカルシンキング」が大切だと言って、学び方をステップにして書いていますが、ロジカルシンキングは「引き出しの多さ」です。
ゼロから分解の仕方を考えるのは難しいので、大量の知識を学習しているChatGPTに「引き出し力」を借りる。そこからスタートすればいいんじゃないかと思うんですよね。
そういう観点で見た時に、減らしてもいいアナログな努力は何ですか?
曽山:人間は、脳のメモリに限界があるんですよね。記憶容量が限られているので、大量にデータがある生成AIを、「外部ハードディスク」としてちゃんと使うことが大事です。
僕は、経営者の方から人事の相談をいただくことがあるのですが、その時に出せるアイデアは、「記憶の中で思いつくこと」になってしまいます。本質的なことを思っていても、忘れている可能性があるので、そのアイデアを外部の容量にできればいいと思うんです。
伊藤:なるほど。
曽山:孫さんや藤田の知恵を使ったほうがいいので、これはすごく大事な考え方だと思っています。