ChatGPTは「ベクトル化エンジン」
尾原:次に、アイデア出しをする「連想マシン」としての使い方です。「本の要約からのアドバイスは、曽山さんに絶対フィットするだろうな」と思いました。
ChatGPTなど、LLM(大規模言語モデル)の大きな機能は、言語化エンジンであると同時にベクトル化(数値化)エンジンなんですよ。
曽山:ベクトル化エンジン。
尾原:つまり本を要約する中で、著者の成長ベクトルや価値観ベクトルをまとめてくれる力がめちゃくちゃ強いんです。
曽山:間違いないですね。
伊藤:著書がある人は、その内容がベクトル化のベースになっていきます。でも、ChatGPTにはメモリ機能があるから、「この人はこんなことを考えている」「ここを大事にしている」と、記憶していってくれるじゃないですか。
だから、著書の有無にかかわらず、付き合えば付き合うほどベクトル化のプラスになっていくという理解でいいですよね。
尾原:そうですね。ChatGPTは時々ウソをつきますが、基本的には生成エンジンなので、トレーニングされたデータや入力の中で、「真ん中の答え」を紡いでいってくれるんです。
例えば、孫さんの本や思想を入れると、「この人はこういう人だよ」と言って、真ん中のベクトルを出してくれます。
曽山:修練したものの中から、「これですよ」と。
尾原:そうです。また、メモリ機能があって、「あなたの入力傾向はこうですね」と言って、蓄積していってくれるんです。
曽山:なるほど。
尾原:ChatGPTは、成長ベクトルが自然と溜まっていくエンジンになってきています。それが意外と知られていなくて、使いきれていない部分なので、もったいないなと思ったんですよね。