仮想相談相手「ソヤマンGPT」の開発と活用
曽山:実はAIのチームに、「ソヤマンGPT」を作ってもらっているんです。
尾原:おもしろいですね。
曽山:例えば、グループ会社の社長から相談を受けた時に、すべての本・YouTube・記事をソヤマンGPTに食べてもらいます。まずは僕だけが入力するのですが、出てきた回答には、40点のものもあれば80点のものもあるんですよ。
僕がそれをリバイス(加筆修正)すると、ゼロから文書を作る「時間コスト」が短くなりますし、忘れていたことを引き出してくれます。この「時短」と「ハードディスク」がポイントです。その結果、満点の回答が出せるんですよね。これはすごく大きいなと思っています。
伊藤:総じて、何点くらいですか?
曽山:60点くらいです。いいところをついているので、笑っちゃう時もありますね。
伊藤:なるほど。
曽山:例えば、「マネージャー研修のプログラムを作りたいんですけど、何に注意すべきですか?」という問いがあった時に、僕が絶対に聞くのは、「何が研修の成果なのか、先に成果定義を決めてください」です。いわゆる、ドラッカー的思考ですよね。
PL(損益計算書)・BS(貸借対照表)を読めるようになるのか、事業計画を立てられるようになるのか、対話力で社員のハートをつかめるようになるのか。この3つでもぜんぜん違うので、ソヤマンGPTに、まずは「最も重要なことは成果定義です」と伝えます。
伊藤:なるほど。逆に、イケてない40点はどんなところですか?
曽山:当然ながら、僕がWebで文字に落としていないものです(笑)。
伊藤・尾原:(笑)。
曽山:答えが出るわけがないんです。でも、先ほどの尾原さんのお話で言うと、真ん中の答えを出してくれるのが生成AIのすごいところです。中身が正しいかどうかは別にして、もっともらしく言ってくれるところが素敵なんですよね。
尾原:そうですね。
曽山:例えば、経営幹部の育成について、僕はそんなに話していないわけです。別に隠しているつもりはないんですけど、表に出す機会がないんですよ。
また、リモート・フルリモートなどの働き方について、根本的な考え方や「今どう見ているのか」など、タイムリーなものになればなるほど、適当に答えます。
「ぜんぜん違うけど、もっともらしく言っているな」という回答は、点数が低いわけです。
伊藤:なるほど。