家族同伴のスポットで多い願い事
「自分の幸せより○○の幸せ」

 千葉県内、上記のイオンがある市より大きい隣の市のショッピングモールの短冊は、全年齢層による願いの博覧会であった(笹の葉も巨大であった)。若者たちの恋の願いがイオンより相対的に少なくなったのは、他の願いが増えたことによって割合が低くなったのもあるが、イオンのように「友達と連れ立って行くスポット」ではなく、「保護者同伴で来ることが多いスポット」だったから――という理由が推測できた。友人となら盛り上がる恋の話題でも、保護者の前ではしたくない若者は多いはずである(中には保護者と積極的にシェアして盛り上がる若者もいる)。

 そこで、ある趣旨の短冊が目立って多く書かれているのが印象的であった。

・推しの○○のライブが成功しますように

・○○くんがもっと有名になりますように

・推しが紅白に出られますように

・推しが健康でいられますように

 などなど、自分の“推し”を応援する願いである。自分のことは二の次で、真っ先に推しを案じている点が特徴的である。なお、中には“推し活”を通じて自分に幸せが訪れるよう、以下のようなものもあった。

・推しのライブに当選して、そこが神席で、推しが視線をくれたり最高のファンサ(ファンサービス)をしてくれて、握手会で神対応してくれますように

 エゴを隠さずすべてぶちまける姿勢が、むしろ健全ですらある。

 しかし、推し活がここまで短冊の願い事に影響してくるとは思わなかったので、いかにも「令和を見た」という気にさせられた。