デジタルの影響著しい
低年齢の子どもたちの願い

 書いてある字や内容である程度の年齢を推察することができる。未就学児~小学校低学年の子の願い事は「ケーキやさんになりたい」「くだものいっぱいたべられますように」などかわいらしいものが多く、これは今も昔も変わらない。

 中には「でんしゃになれますように」といった願い事も必ずあり、おそらく言葉足らずによる誤解なのだが、字義通り受け取れば、実現には大掛かりで非人道的な改造手術が必要そうであり、親としては応援するどころか懇願してでも思いとどまってほしいと思うのであろう……という一幕を想像するのも例年のごとしである。

 他には「ピアノがうまくなりますように」「サッカーのプロになりたい」といった、趣味や習い事の上達を願うものも多くあった。

 しかし、時代の波は低年齢層にもしっかり影響している。以下、実際にあった短冊である。

・あいぱっとがほしい(原文ママ)

・かきんできますように

・いちにちゲームがしたい

・セイアが実装されますように

 ザ・デジタルネイティブという感じである。欲しいものはおもちゃでなくガジェットであり、スマホのソシャゲで“かきん”を夢見るが保護者から止められているであろうことが察せられる。また、ゲームのプレイ時間を保護者から制限されているらしき子の願いは「いちにちゲームがしたい」であり、この子はきっと独り立ちしたらゲーム生活を謳歌するであろう未来が想像できる。

 一番下の「セイアが――」だけ年齢が高そう(高校生程度だろうか)である。「セイア」はおそらくソシャゲか何かのキャラクターで、短冊に実装を願うくらい人気を誇るのであろう。と思い調べてみたら、やはり「セイア」は『ブルーアーカイブ』というゲームのキャラクターで、多くのファンがセイアの実装を心待ちにしている様子であった。

 まあ、そうしたことが短冊に書かれるくらい、ゲームの世界が若者の日常に浸透しているということである。