ローソンは「店舗業態」で戦い
セブンは「商品戦略」を重視する
さて、最初に双方の戦略をもう少し詳しく説明しましょう。
ローソンには傘下に4種類のターゲットが異なるストアが存在します。
一般的な消費者を対象にするのが青い看板で知られるコンビニの「ローソン」。オーガニックなど食の安全性やサステナビリティに敏感な消費者を対象にするのが「ナチュラルローソン」です。そして低価格でおトクに買い物をしたい消費者層には「ローソンストア100」、富裕層向けには「成城石井」があります。
それぞれ異なる品揃え、異なる店舗業態で顧客を迎え入れるのがローソンの戦略です。
それに対してセブン&アイ・ホールディングスではコンビニは「セブン-イレブン」、GMSは「イトーヨーカドー」、食品スーパーはヨークマートという形で業態別に店舗を設定して基本的にあまねく消費者を呼び込みます。
さらにPB商品では異なる消費者ターゲット毎に異なるサブブランドで展開するのがセブンアンドアイの戦略です。
具体的には一般ユーザー向けには「セブンプレミアム」や「セブンカフェ」、お得を追求する顧客には「セブン・ザ・プライス」、ナチュラル志向の顧客には「セブンプレミアムフレッシュ」や「セブンプレミアムライフスタイル」、そしてちょっと贅沢な消費がしたい人向けには「セブンプレミアムゴールド」というように、サブブランドで切り分けていくのです。
このように店舗業態で戦うローソンに対して、商品戦略で戦うセブンという形で、同じターゲット層の顧客を狙っているにもかかわらず違った戦略を採用しているというのがこの戦いの興味深いポイントです。