イトーヨーカドーは上場
成城石井は上場取り下げで「真逆」
そしてここも両社の戦略の差が際立つところだと思うのですが、スーパー事業に対する近年の両社の取り組みはさらに真逆の様相を呈しています。
セブン&アイでは物言う株主の提案に寄せた形で、イトーヨーカドーの株式上場計画を発表しています。株式を上場するということはそれまでの100%支配下の会社ではなく、外部株主に経営権の一部を売却することを意味します。
もちろん株式上場後もセブン&アイが大株主になることでセブンプレミアムは引き続きイトーヨーカドーでも販売が続けられるでしょう。イトーヨーカドーはセブン&アイの祖業ですから、グループから完全に離れることはないと想定されます。
とはいえGMS事業に関しては少なくともセブン&アイの中心事業ではなくなるというのがセブンの戦略方針です。
一方のローソンは、実は成城石井の上場計画を2年前に取り下げています。
顧客ターゲットの異なる成城石井をグループから分離して、上場で得た株式売却資金をローソンの成長に振り向けようという戦略を少なくとも2年前まで持っていたのですが、それを取りやめにしたのです。
それだけではありません。成城石井は今年に入ってネットスーパーの成城石井.comへの投資を強化しているのです。具体的には今月の刷新で商品アイテム数を35%増やしただけでなく、サイトデザインを変えることで利用者のユーザーエクスペリエンスを大幅に向上させています。