一次情報へのアクセスは不可欠だが
賞味期限切れしている場合もある

 相談を繰り返し、ネクストアクションを積み重ねることで、次々と手に入る一次情報。一次情報というリアリティのある事実によって、思い込みが外れ、選択肢が広がることで行き詰まりを解消してくれるのです。裏を返すと、リアリティのある事実である一次情報をとらずに妄想だけで物事を進めていくと、すぐに行き詰まります。

 一次情報へのアクセスがないとき、これも相談すべきタイミングと言えます。特に仮説の段階では、相談と検証によって一次情報をどんどん手に入れていく段階でもあるので、一次情報がないということは仮説の精度が上がらないままになるということを意味しています。こうなると、ネクストアクションも見えなくなる。これを防ぐためにも、一次情報がなくなってきたと感じたら、近い分野で実践している人にすぐに相談するなどして、現状を打破していくことになります。

 また、事実には「賞味期限」があります。かつて体験して得た一次情報が十分にあったとしても、時代や環境、ニーズなどの変化は激しいため、自分は知っているという思い込みを外して一次情報を更新し続ける必要があります。

 特に経営者やリーダー層の方にとって、この「一次情報の賞味期限切れ」は大きな問題となります。会社が大きくなればなるほど現場から離れていき、「一次情報」が不足しているなかでの意思決定が求められがちだからです。

 しかし、相談上手な経営者たちは、企業規模が大きくなっても現場感があるという特徴があります。だからこそ自身の成功体験や失敗体験に縛られない意思決定ができますし、現場のリアルな実態をつかんでいるため話も非常に面白い。自ら現場に足を運び、担当者に相談するというプロセスを、経営者になっても実践しているのです。

 現場との乖離は経営者に限らず、どんな人でもキャリアを重ねて役職が上がれば起きてしまいます。一次情報がないと感じたときこそ、相談するタイミングなのだと言えます。