熱中症になりやすいのは
「子ども」「高齢者」「肥満の人」
熱中症になりやすい人を挙げましょう。
最もリスクが高いのは、「子ども」です。子どもは大人に比べると体温調節機能が未熟なため、どうしても熱中症になりやすいのです。
次に「高齢者」。実は熱中症の予防には筋肉量を増やすことが重要なのですが、年とともに筋肉量が減少していきますから、一般的な高齢者は熱中症発症リスクが高いといえるでしょう。
どうして筋肉量が重要かというと、筋肉には体内の“水分貯蔵庫”の役割があるからです。気温が高いと汗をかき、一時的に脱水症状になって、臓器に血液を送れなくなったり、体温調節機能が働かなくなったりします。そのような非常時に、筋肉から水分を血液に送り込むことができるのですね。
そして「肥満の人」も、熱中症発症のリスクが高いです。筋肉は水分貯蔵庫と説明しましたが、脂肪は熱をこもりやすくする特性があるため、肥満の人は体温を下げづらいのです。
熱中症になりやすい
2つの生活習慣
また「熱中症になりやすい生活習慣」も、二つあります。
一つは、朝ごはんを食べない人。朝ごはんを食べないことで一日の栄養素が圧倒的に不足します。昼や夜にまとめて食べればいいわけではありません。光を浴びて朝食を取ることで、その日の体内時計がスタートし、体温が上昇するリズムも整いやすくなるのです。
「体温が上がらなければ熱中症にならなくていいじゃないか」と思うかもしれませんが、それも違います。体内時計がしっかり働くことで、体温調整機能を含め、体は外部の環境に応じて体内をうまく変化させることができるのです。
もう一つ、「甘いものをたくさん食べている人」も注意が必要。疲労回復の栄養素、ビタミンB1は甘いもの(糖質)の代謝にも必要で、さらに夏は汗からも排出されます。ですから甘いものが大好きでビタミンB1が欠乏すると疲れやすく、エネルギー代謝もうまくいかなくなって熱中症のリスクが上がってしまうのです。
以上の“リスクが高い人”を踏まえた上で、それでは熱中症を予防するために、何をどれくらい取ればいいのかという話に移りましょう。