中古のバイクはイメージが悪い?

 今回の取材は、ヨタ話で触れたバイクツーリングがきっかけで実現した。

 なにしろバイク仲間が集うツーリングである。夜の宴席では当然バイク談議に花が咲くことになる。そこで中古バイクの話になった。

 ヤフオクで中古を買ってひどい目に遭った話、愛車を販売店に持ち込んだら散々に買いたたかれた話などなど……。私は中古で買ったドゥカティのオルタネーターが壊れていて、初回のツーリングでエンコしてしまった話を披露した。

「どうも中古のバイクはイメージが良くないよね」「そもそも扱う業者がうさんくさい」「きっと安く買いたたいて、高値で売って大儲けしているのだよ」……かようにネガティブな意見が飛び交った。

 そんな話を黙ってじっと聞いていたのが、バイク王&カンパニーの取締役常務執行役員である澤篤史(さわ・あつし)氏だ。彼もこのツーリングに参加していた。そしてやおら「ウチは違いますよ」と言った。

「ウチは違います。完全にオープンでやっています。そもそも、安く買って高く売るなんてとんでもない。店舗費用に人件費。お客様の家まで引き取りに行って、査定して修理してオークション会場まで運んで……。中古バイクにはさまざまなコストがかかっています。大儲けなんてとてもできません」と。

 さらに彼は続けた。

「今やバイク王は買い取り専門店ではありません。我が社の売り上げの半分は、中古バイクの販売です」

「バイクを売るならGOバイク王」ではなかったのか。いつから販売を始めたのか。バイク王がバイクを売っていることなど、ほとんど知られていないのではあるまいか。

 疑問は解消しなければいけない。ツーリングの翌日に、早速バイク王の本社を訪ねた。