私は麻生派の中の参議院議員だけを集めた「上公会」というグループの会長を務めています。講師を呼んでみんなで話を聞く、非常にこぢんまりした会ですが、これからの派閥やグループはこうした小規模なものになっていくのではないでしょうか。

 昔から「派閥は100人超えたら崩壊する」と言われていて、実際に安倍派(清和会)はその通りになりました。田中派もかつて100人を超えたころに、同じ中選挙区に同じ派閥から2人の候補が立つことになって大変な騒ぎになったことがありますから、大人数になると、やはりひずみが出てくるものなのかもしれません。

 党員をいかに集めたか、それによって党費をいかに集めたかが力関係に影響する場面は、以前は確かにありました。昭和58年に参議院の比例区が拘束名簿式になり、党が決めた名簿順位で当選者が決まることになったのですが、その順序は集めた党員数が考慮されたんです。

国会議員は“商社マン”ばかり…麻生派重鎮が語る「日本の政治」の問題点とは?連載:「派閥とカネと自民党総裁選」に登場する大物政治家たち Photo by Wataru Mukai

 私の場合、支持者の方々は障害児を育てておられるとか、ひとり暮らしのお年寄りとか、ボランティア活動をしているような人が多いので、年間数千円の党員費を納めていただくのも大変な苦労だったんです。それで名簿順位が下がってしまって、落選してしまいました。

 当時は10億円集めないと党内のベスト10に入れないといわれ、トップの人は40億円集めた、なんてこともありました。中には官僚出身で、自分の退職金をつぎ込んで順位を上げてなんとか当選したけれど、すぐに病気になって亡くなってしまい、残された家族が大変な思いをしたという例もあります。

 こうしたやり方はおかしいと思っていましたが、その後、平成13年に非拘束型の候補者名を書いて投票できる制度に変わったことで、また政界に戻ってくることができました。

――どうしてそんなにお金が必要なのでしょうか。