○この世に「望ましい性格や能力」と「望ましくない性格や能力」があるのか?組織で問題を起こすのは、前者を持っていない人なのか?
○言い換えると、自分がまともに仕事ができているのは、自分の能力が高くて、「優秀」だからなのか?あなたを「良し」としてくれている周りのメンバーに恵まれていたり、景気や市場環境がたまたまよいことも多分に影響しているのでは?……など。

 そしてさらに、次のことまで問い尽くす。これが、解くべき問題の「設定」を紐解く、大事な一歩と考えます。

○本当は、組織として策を講じるべきところを、個人の能力の問題に矮小化しているのではないか?個人の能力の問題にしたほうが都合のいい誰か、つまり特定の人の利害と結びついたまま、問題が「設定」されていないか?分かりやすさが実際の有用性より優先されるなど、問題解決用に問題視されていないか?

 考えはじめると、結構頭が痛いですが。

「変わってる従業員」は
本当に変な奴なのか?

 先の「変わってる奴」と称される個人の話をします。その人のせいで組織がうまくいかない、という不満が噴出しているわけですが、着眼すべき点は、個人をそんなふうに決めつける組織の側にもあるのではないでしょうか。

 個人と組織との相性の話なのに、一個人を「変わってる」と評するその組織だって、「クセツヨ」なのではないか?と問うて然るべきと考えるのです。「使いやすい」「部内の雰囲気」「いい人」「ややこしい奴ら」……など、すべてそうです。誰から見た、何の話なのでしょう。職場においてこれらの「評価」を下す組織の構造を、対話や観察の時間をいただき、つぶさに調べていきます。