日系の大手自動車メーカーの中で、独自路線を突き進むのがスズキだ。中興の祖である鈴木修氏から息子の鈴木俊宏氏へのバトンタッチ以降、インドを中心とした海外戦略をさらに強化している。中国市場の不振などで各社が戦略の練り直しを迫られる中、スズキは独自の戦略によって、「2030年度に売上高7兆円」の目標を達成できるのか。特集『スズキの野望』では、スズキが直面している課題と、修氏勇退後のスズキの経営の持続可能性を明らかにする。(ダイヤモンド編集部 宮井貴之)
#1 8月5日(月)配信
スズキ「独自のEV戦略」インド現地生産でシェア獲得狙うも電池調達がネックに、地政学リスクも高まる
スズキは1983年にインドで生産を始めて以降、経済成長を背景に同国で四輪車のシェアを獲得してきたが、ここにきて成長に陰りが見えつつある。2024年度には電気自動車(EV)の新車種投入を目指しているが、EVでも確固たる地位を築くことができるのか。今年6月にモディ首相による3期目がスタートしたインドで、スズキが直面する地政学リスクについて明らかにする。
#2 8月7日(水)配信
出遅れるスズキの「軽商用EV」開発が暗礁に…トヨタグループの認証不正が直撃!
ダイハツ工業の認証試験不正を受け、スズキの軽商用EV開発が暗礁に乗り上げている。商機とみて、各社が軽商用EVを相次いで発売する中、遅れを取り戻してシェアを確保することができるのか。国内で軽商用EVの開発が加速している背景と、スズキが競合に勝つための秘策に迫る。
#3 9月4日(水)配信
スズキは「小型」「お手軽」の独自路線を行く!とはいえ大事なトヨタ自動車との提携戦略の行方
EV時代を見据えて各社が仲間づくりに奔走する中、独自路線を突き進むのがスズキだ。2019年にトヨタ自動車と業務提携を結び、相互のOEM(相手先ブランドによる生産)供給は行なっているが、それ以外の分野ではっきりとしたシナジーは見えていない。鈴木俊宏社長は今後トヨタとの提携をどう進めていくのか。両社がシナジーを発揮するための意外な秘策とその副作用に迫る。
#4 9月5日(木)配信
スズキ「中興の祖」鈴木修氏の功罪から考える、現社長・俊宏氏がやるべき“取捨選択”とは
スズキの「中興の祖」である鈴木修氏は、米ゼネラルモーターズ(GM)との提携やインドへの参入などの大胆な取捨選択で、数千億円だった売上高を2024年3月期には5兆円まで伸ばした。30年度までに同7兆円という野望の実現は、鈴木俊宏社長の経営判断に懸かっている。修氏の功罪を振り返るとともに、敏宏氏の課題について迫る。
#5 9月9日(月)配信
スズキを支える「トヨタ出身参謀」の信望は?スズキ経営陣“チーム俊宏”、10年目の実力を大解明
スズキの鈴木俊宏氏が社長に就任してから10年目を迎える。トップダウン型の経営だった鈴木修会長の時代から役員体制も激変した。ボトムアップ型の体制に変貌を遂げた「チーム俊宏」の権力構造を解明し、トヨタ自動車出身として俊宏社長を支える参謀の実力に迫る。
#6 9月11日(水)配信
スズキ、インド事業の救世主は「牛のふん」で走るクルマ!脱炭素に向けた新エネルギーの衝撃
スズキが脱炭素戦略の一環としてインドで進めている、牛ふんをエネルギー源とする圧縮バイオメタンガス(CBG)車に注目が集まっている。電気自動車の普及まで時間がかかるとみて各社がハイブリッド車の開発・製造に集中する中、なぜ、スズキは牛ふんに着目したのか。牛ふんをエネルギーにするメカニズムを解明するとともに、スズキの狙いを明らかにする。
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