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 支持率が10%台半ばしかない政権が、なぜ維持されているのか。誰も、混乱を望んでいないのでしょう。戦争の危険がなく、世界が安定していれば、こうした不人気の政権は倒されるはずです。

 日本人の多くが、具体的に何があるかわからないけれど、なんとなく不安な気持ちでいるのが現実です。

「新NISAに熱中する日本人」に自民党がニヤリ?佐藤優が暴く「自民一択」政治のカラクリ佐藤優氏 Photo by Wataru Mukai

 多くの人が新NISAを利用しているのもその証拠です。だからこそ、国内外の情勢が混乱すると株価が下がるので、個人の資産は減ります。それは困るわけです。

 岸田政権に明るい未来はないとしても、日本共産党と手を握った立憲民主党が政権を取ったら、外国の資本は日本から逃避します。経団連も、その政権には協力しないでしょう。

 連合もまた、加盟しているのは経団連傘下の大企業ばかりだし、芳野友子会長の態度でわかるように、やはりその政権からそっぽを向くでしょう。中小企業と個人事業主も、民商や全商連に世話になっている人以外は、共産党政権を好まないと思います。

 つまり資本主義体制でいる限り、共産党が政権に関与した瞬間、やはり日本の株価は下落します。自民党に不満で政権交代を願っている人も、自分のNISAに悪影響が及ぶとなれば話は別です。投票行動はおのずと保守的になります。

 現在の日本には「低位安定か大混乱のどちらを選びますか」という究極の選択肢しかないので、「低位安定を選びます」という状態が続いているわけです。