フェラーリのフラッグシップ、“12 Cilindri”が登場した。車名は「12気筒」を意味し「ドーディッチ・チリンドリ」と読む。フェラーリにとって12気筒は特別な存在。1948年に誕生した最初の生産車、166以来の伝統を誇る。かつては「12気筒以外はフェラーリの名を冠さなかった」ほどだ。最新モデルのV12気筒はF140HD型6.5L・DOHC32V。830ps/9250rpm、678Nm/7250rpmを誇り、トップスピードは340km/h。まさに選ばれし者のためのスペシャルモデルである。ボディタイプはクーペとスパイダーの2種。スタイリングは1960~70年代の名車、ロングノーズの365GTB4デイトナを彷彿させる。
フェラーリ12気筒
直球ど真ん中のネーミング
マラネッロの新型フラッグシップが誕生した。しかもクーペとスパイダーの同時デビューである。その名は12Cilindri。日本語表記は、イタリア語の発音が正式採用され“ドーディチ・チリンドリ”と呼ぶ。英語でいうところの12シリンダー。つまりはフェラーリ12気筒というわけだ。直球ど真ん中のネーミングである。
マラネッロはそれだけV12エンジンに誇りを持っている。何しろフェラーリ初のモデルが12気筒車だった。ドーディッチ・チリンドリのエンジン型式はF140HD。エンツォ・フェラーリ(2002年発表)から続くV12自然吸気の系譜に連なる新設計エンジンである。
完全フロントミッドに搭載されるF140HDは812コンペティチオーネ用F140HBをベースに開発された。総排気量は6.5Lで、最高出力830ps/9250rpm、最大許容回転数9500rpmといったスペックもまったく同じである。
一方で最大トルクは678Nmと若干下がった。最高出力発生回転を7250rpmと250rpm上げてHB型と同じ馬力を稼いだ結果であり、排出ガスや車外騒音のレギュレーション対応のため、排気系をメインに再設計したことが影響している。