「休日」「休暇」「特別休暇」の違い

<休日と休暇の違い>
○休日とは、労働契約において労働義務がない日のことを指し、労働基準法で定めた1週1日もしくは4週4日の休日を「法定休日」、法定休日に加えて、企業が任意に定めた休日を「法定外休日(所定休日)」という。甲社の夏休みは法定外休日に該当する。
○休暇とは、本来は労働日だが、労働を免除する日のことをいい、有休などの「法定休暇」と「法定外休暇(特別休暇)」の二つがある。
○有休は休暇の一種なので、労働義務のある日についてのみ請求できる。逆に労働義務のない日に取得することはできないので、甲社の場合、休日として定めがある(1)から(6)の期間は有休の請求ができない。

<仮に、甲社が夏休みを休日ではなく「特別休暇」として定めていた場合はどうなるか>
○特別休暇は、企業が独自に定める休暇をいい、法律による付与義務はない。
○特別休暇には、主に慶弔休暇、年末年始休暇、夏期休暇などがあるが、特別休暇の種類や付与日数、対象者、休暇を取得した場合の給与支払いの有無などは、企業が決定し、就業規則に明記する(要するに、無給でもOK)。
○就業規則で夏休みが特別休暇として明記されている場合、明記された期間、または日数は有休の付与ができない。ただし、夏休みを無給の特別休暇としている場合は、従業員本人の申請により有休として取得する扱いは可能である。(有休扱いにすることで給与が減額されない)

「夏休みは有休で取る」ように就業規則を変更したい

 C部長は「えっ、そうなんですか?」と驚きながら話を続けた。

「私がこの会社に中途入社したのは3年前ですが、その時前任者から『正月休みの期間中は会社を閉めるので休日だけど、夏休み期間中は会社が営業しているので、各人の有休で取らせるように』との引き継ぎを受けました」
「これまで、Aさんのような新入社員の夏休みはどうされていたのですか?」
「社員の有休は労働基準法の定め通りに付与しているので、夏休みは取らせていませんが、本人たちから不満が出たことはないです。それにAさんに休日として夏休みを取ってもらうと、他の社員も5日の夏休みのうち3日は休日扱いになるんですよね?」
「そうです」