未来の「年収勝者」はどの企業なのか――。この答えを探るべく、ダイヤモンド編集部では今回、「5年後の年収」を専門家のアドバイスを基に初試算。営業利益や従業員の平均年齢などを説明変数とする重回帰分析で予測モデルを作成し、独自の年収ランキング作成を試みた。特集『高年収&高収益 勝ち組企業大解剖!儲けの秘密と本当の待遇』(全18回)の#13では、その第1弾として、5年後の予想年収が直近より増える企業の「予想年収ランキング」上位100社を明らかにする。(ダイヤモンド編集部 竹田幸平)
「5年後年収」を重回帰分析で初試算!
上位100社の予測年収と増加額が判明
「5年後の年収は、幾らもらえるんだろうか」「超高給で有名なあの企業の給料はまだ上がる?」
ダイヤモンド編集部はそんな多くのビジネスパーソンが抱くであろう疑問に答える。今回、統計専門調査会社の協力を得て、「5年後の年収」を初試算。営業利益や従業員の平均年齢などを説明変数とし、重回帰分析による予測モデルを基に作成した。
まずは第1弾として「5年後の年収勝者100社」を公表。直近の平均年収より予想年収が上がる100社を対象としていて、「5年後の予想年収」「現在よりどれほど増えるのか」が一目で分かる。その金額に基づいた、5年後の予想年収の上位100社をランキングした。
上位の結果を一部明かすと、2位は武田薬品工業、3位は中外製薬と大手製薬2社がランクインした。現在ですら高待遇の両社が、5年後に幾らになるのかは、ぜひ次ページを見てほしい。
ランキングには、鹿島やディスコ、アシックスなどが登場。いずれも、本特集(#1『平均年収が「5年で100万円超増えた」高給大企業ランキング【全36社最新版】4位キーエンス321万円増、1位は?』など)に登場した有力企業だ。
メガベンチャーの代表格であるエムスリーもランクイン。そして、ここまでの特集では大きく扱ってはいないが、トヨタ自動車をはじめとする自動車各社、KDDIやオリンパスといった日本を代表する大企業もランクインしている。
ランキング対象の母集団は、平均年収を比較可能な国内の全上場企業から持ち株会社と変則決算の会社を除く約3200社(データ提供:東京商工リサーチ)だ。さらに、過去10期分の年収と営業利益の相関性などから、好業績(業績悪化)で給料が上がりやすい(下がりやすい)傾向がある2640社を抽出。そこから、IFIS市場コンセンサス予想で5期先までの営業利益のデータが取得できる上場企業556社を選出した。
その上で、各企業を上場市場がプライムかどうか、日経平均株価の銘柄かどうかや本社所在地、平均年収の金額などでカテゴリー化。各カテゴリー、営業利益および年齢を用いた重回帰分析によって予測モデルを作成した。第1弾では直近(2021年度)より平均年収が上がる100社を予測年収の高い順にランキングした。
なお、ランキングは項目名をクリックすると昇順・降順で並べ替えが可能だ。「5年後の予測年収」をベースに順位付けしているが、そのほか「21年度比の年収増加額」や「21年度年収」など、それぞれの順位が確認できる。また、社名や証券コードの検索が可能で、業種で分類もできる。
ちなみに、100社を「増加額」の昇順で並び替えてみると、1位の企業は今よりもなんと187万円も5年後に給料が増え、予想年収の絶対額でも全体の1位という結果に。並び替えた増加額上位は、2番目が東京建物、3番目がアドバンテストといった顔ぶれだ。5年先の予想年収が直近より100万円超アップする企業は8社ある。
早速、5年後に高年収が予測される有名企業100社の具体名と具体額を明らかにしていこう。
大和ハウス工業や住友化学、味の素、大林組、エーザイ、東芝、ブリヂストン、キヤノンといった企業では幾ら増えるのだろうか?