ただし、無計画は資産を崩壊させる大きな要因になるので、資産を適切に守って育てていくつもりなら、投資に“お祈り”要素は持ち込むべきでないことは留意されたい。「損失→利益」への転換をお祈りし始めた時点でそれはもうただのギャンブルで、投資からやや離れたお金の運用方法となる。
単なる「お祈り」は
投資ではなくギャンブル
きちんと、“投資”として長期投資を行うのであれば、「途中の含み損をどこまで許容するか」「利益はどこまで伸ばすか」「何カ月に1回買い足しを行うか」といった計画を事前に立てて、それに必ず従うことが求められる。
新NISAをきっかけに、投資の世界に興味を持ち、自分なりに情報収集を始める人も多いことと思う。そして一旦投資を始めたことで、投資に対する心理的ハードルが取り払われ、以後積極的に各所へ投資していく人もいるだろう。経済が活性化する好ましい状態である。
次は資産の守り方を皆が学んでいくべき段階で、個人投資家たちは大暴落でパニックを経験し、投資の怖さを知った。投資は怖さを知ってこそ、資産を守り増やす戦い方を展開していくことができる。
今回の大暴落ですでに退場を余儀なくされた投資家は、極めて不運だったという他ないが、まだ市場に居続けられている個人投資家にとって、あれは「学びのチャンス」とすることができる。投資をギャンブルにせず、“投資”とするために、ぜひ賢明であることを心がけられたい。