追加利上げ後に「円高急伸・株価暴落」、日銀の決定は正しかったのか?Photo:SANKEI

国債買い入れ減額と同時利上げ決断
日経平均株価は過去最大の暴落

 日本銀行は7月30、31日の金融政策決定会合で、3月にマイナス金利解除を決定して以来となる2回目の政策金利引き上げを決めた。同時に、3月にイールドカーブ・コントロール(YCC)を撤廃した際には「当分の間は買い入れ水準を維持」としてきた国債買い入れを2026年3月までに「月3兆円程度」まで半減させる削減計画を発表した。

 賃上げの裾野は広がってはいるものの個人消費の停滞が続くなか、国債買い入れ削減と利上げの同時決定は難しいとの見方から、市場では7月利上げ観測はやや後退していた。そうした見方を覆しての追加利上げと国債買い入れ削減の同時決定だった。

 利上げを受けて週明け8月5日の外国為替市場では1ドル=141円台まで円高が進み、東京株式市場では日経平均株価が米国株式市場の急落と円高による先行き不安から、リーマン・ショック当時を超える過去最大の下落になった。 

 6日は一転、日経平均株価は過去最大の上昇になるなど、荒れた展開だが、日銀が利上げを急ぎ過ぎたがゆえに株式市場の急落を招いたというような批判も出ている。果たしてそうなのか。