ユリヤ・ラビシュさんは大学在籍時に米銀大手バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)への入社が決まり期待に胸を膨らませたが、シカゴオフィスで3年働いたあと2022年に退職した。シカゴでは上司が、ラビシュさんや同じチームのメンバーを午前5時まで働かせた上で、勤務時間を偽るよう指示した。ラビシュさんが午前4時まで勤務し、タクシーで帰宅している時に、上司から連絡が来たこともあった。顧客への提案書に追加の直しを入れて印刷し、幹部スタッフが午前中に確認できるよう準備しておいてほしいとのことだった。ラビシュさんは運転手にUターンするよう言った。ロイ・ワンさんはバンカメの東京オフィスで投資銀行部門のジュニアバンカーとして働いていた。ワンさんは残業時間をしっかり記録していた。しかし人事部門が上司にワンさんが働き過ぎだと指摘すると、マネジャーから行内規則で認められている時間だけ報告するよう命じられた。ワンさんは週に最低1回は徹夜で働く状態が続いた。ジュニアバンカーはトイレの個室や会議室で数時間の仮眠をとることが珍しくなかったという。医師からコレステロール値などが急激に上昇し不健康な水準に達していると言われ、ワンさんは退職した。
バンカメが勤務時間規則を無視、若手が疲弊
行員の死亡を受け、徹夜や週100時間勤務に非難の声
有料会員限定
あなたにおすすめ