航空貨物運送協会が公表した2024年上半期(1~6月)の日本発の輸出航空貨物重量(混載貨物ベース)は、前年比約2.5%増となる約38万7774トンとなり、上半期実績として3年ぶりの増加に転じた。23年は“歴史的な低水準”となった航空貨物輸出量だが、今年に入って回復基調で推移している。その理由とは?(カーゴニュース編集部)
今年から回復傾向、1月は25カ月ぶり増加に
航空貨物運送協会(JAFA、杉山千尋会長)によると、日本発輸出航空貨物重量の上半期実績は、TC1(米州)が前年比0.1%減の7万7208トンだったものの、TC2(欧州)は7万2295トンで3.5%の増加。TC3(アジア)も3.1%増の23万8270トンだった。国別にみると、最大の輸出先となる中国向けが8万4518トンとなり10.8%増となっている。
近年の航空貨物市況は浮き沈みが続いた。20年はコロナ禍の影響で荷動きが大きく低迷したものの、21年は海上輸送の混乱を背景とした“船落ち貨物”の流入で航空輸出は急増。20年比で48.8%増となる活況を呈した。
しかし、22年に入ると海上輸送の正常化や世界的な経済低迷に伴い航空貨物取扱量は減少に転じ、23年は22年比で25.2%減の76万1311トンとなり、20年実績(78万4538トン)をも下回る歴史的低水準となった。
24年に入ると、そうした状況に変化が生じた。1月には3.3%増となり、21年12月以来25カ月ぶりの増加に転じた。2~3月は再度減少に転じたものの、4月は2.3%増、5月は11.2%増、6月は5.4%増と、直近3カ月で回復基調が確かなものになってきた。