私はこうして「選ばれる人生」に
変わることができた

 かくいう私も、昔から周囲に認められ、選ばれていたわけでありません。それどころか、20代の頃は、選ばれるために出すぎた主張をして、周囲をヒヤッとさせるような、とてつもなく生意気な会社員でした。

 仕事で評価されることに必死の毎日。クライアントに気の利いた提案をしたつもりが「上から目線だ」とお叱りを受け、担当をはずされた経験もあります。今思えば、選ばれるために自分自身を押し売りしていました。

 逆に「選ばれるための競争」に疲れ果て、気配を消して働いていた時期もあります。「何をしても無駄だ」と思い込み、与えられた仕事をぼんやりとこなす日々。するとほかの誰かがかわいがられ、評価され、昇進していくのが目につき、嫉妬の感情が渦巻いてきます。

 他人と自分を比べて、「私は誰にも認められず、褒められない。自分は選ばれない人間なんだ」と拗ねることで、自分の存在価値を自ら落としていきました。

 しかし、38歳で独立してからは状況が一変。現在は、全国の企業や自治体から指名で講演・セミナー依頼がひっきりなしに来るような毎日を送っています。

 経営者、文化人、タレント、トップクリエイターなどからのコンサルティング依頼も後を絶ちません。一度も会ったことがない大企業の役員から、「契約前提で会いに来てほしい」と招かれることや、大手メディアから取材依頼が入ることもあります。

 独立してから現在までの10年間、仕事は途切れることがないばかりか、収入も右肩上がりなので、「選ばれている」状態が続いているといえるでしょう。

 私はもともとフツーの会社員でした。ですから、独立したときの知名度はゼロに等しいもの。ハッと振り向かれる、モデルのようなルックスや、特別なセレブ人脈を持ち合わせているわけでもありません。事業では宣伝費を一切かけていません。

 ただ、私は意図的に「選ばれる人」をやっています。独立後、そう生きるようクセ付けたのです。

 人から評価され、選ばれたくて、生意気な若手時代を過ごし、もがいていた私が「選ばれる人の存在感」を「技化」した。

 だからこそ、「選ばれる人生」に変わることができたのです。