運も実力のうちと言いますが、実際、運で当たったお金というのは長持ちさせられないというのが私の実感です。

 要はお金の使い方を知らないということだと思います。また、自分で事業を起こすなどして苦労してお金を蓄えてきた経験がないので、お金のありがたみ、お金の大切さを身をもって体験していないため、安易に散財してしまうのだと思います。

 俗にいうあぶく銭みたいな形のお金はやっぱり残らないんだなと、多くのお金持ちを見てきて感じます。

 一方で、代々からの資産家や、自分で会社を経営しながら苦労して資産を築いてきた創業者というのは、やはりすごくお金を大切にします。そんなに簡単にパパっと使ってお金をムダに消費することはありません。その金額が大きくても、小さくてもです。ムダと考えるお金はいっさい使わない。お金に対して非常にシビアです。

 そうした富裕層は、パッと見の印象、服装、身なりなども普通です。外見だけで富裕層だと識別することはまずできません。

 もちろん、富裕層でもファッションへの関心が強い人は別ですが、多くの富裕層はファストファッションも当たり前に着ています。むしろ服装は地味なくらいかもしれません。

 なかには何年ぐらい同じ服を着てるんだろう、というような富裕層もいます。もちろん、品質のよい洋服を長く大切に着ているという人もいますが、そもそも服装にあまり関心がなく、着られれば何でもいいという人が多い印象です。