実際に聞いた話ですが、ある人は投資をすると決めたら、最低でも20億円くらいはつぎ込むそうで、特に気に入った金融商品であれば100億円でもどんどん投資するとのことでした。結果的に損失を被ったり、騙されて大損することもあるのですが、それはかまわないのです。

 自分が好きなこと、こだわるところには惜しみなくお金を使う。ただし、見栄を張るようなことは決してありません。高級外国車を何台も所有している富裕層もいますが、それは車が大好きだから買っているのです。見せびらかして自慢したいわけではありません。

 こうしたメリハリのあるお金の使い方というのが、長く富裕層で居続けられる富裕層に共通した消費行動の一つだといえます。

篠田 丈(しのだ・たけし)
アリスタゴラ・アドバイザーズ会長
2011年3月から現職。1985年に慶応義塾大学を卒業後、日興証券ニューヨーク現地法人の財務担当役員、ドレスナークラインオート・ベンソン証券及びINGベアリング証券でエクイティ・ファイナンスの日本及びアジア・オセアニア地区最高責任者などを歴任。その後、BNPパリバ証券で株式・派生商品本部長として日本のエクイティ関連ビジネスの責任者を務めるなど、資本市場での経験は30年以上。現在、アリスタゴラ・グループCEOとして、日本、シンガポール、イスラエルの拠点から、伝統的プライベートバンクと共に富裕層向け運用サービスを展開、また様々なファンドを設定・運用、さらにコーポレートファイナンス業務等を展開している。