デジタル給与の「2強」は
PayPayと楽天になるだろう

 しかしこのチャンス、ほとんどのベンチャー起業家は指をくわえて眺めることしかできません。

 理由は厚生労働省が承認にあたってのハードルを高く設定したことです。事業者にとっては資産保全などへのIT投資額が大幅に増えました。

 現在審査中の楽天ペイ、auペイメント、そしてリクルートと三菱UFJ銀行が共同出資するリクルートMUFGビジネスの3社がサービスを開始するとしても、この投資のハードルからそれ以降の新規参入は限定的になるでしょう。

 そして4社の中でauはポイント経済圏の育成が苦手、リクルートは組んだ相手が悪いというそれぞれ欠点を抱えています。そう考えるとこの市場はPayPayと楽天の2強による寡占市場になると予測できるのです。

 さて、最後にここから先はSF的な未来の話です。このデジタル給与を入り口にしたマイクロファイナンスビジネスは、将来的にはこんなところまで拡大するかもしれません。