悪徳ビジネスにしない鍵は
AIが握っている

 実はグラミン銀行の発明したマイクロクレジットはその後は変な形で発展して、アジア各地で貧困層を拡大しているという指摘があります。

 お金を貸すビジネスはグラミン銀行が当初目指したように、貧困層がお金を稼ぐ手段を得るためにも使えますが、貧困層にただ消費をさせるためにも適用できます。

 一歩間違えた結果、かつて日本の消費者金融が法律を超えた金利で低所得層にお金を貸していた頃と似たビジネスモデルがアジアに広がってしまったのです。

 一方でウォルマート型のビジネスモデルを発展させれば、それとは別の形での低所得者層向けの金融ビジネスモデルが成立する可能性があります。ここでの鍵はAIが関係してきます。

 低所得層がこの分野で古いタイプの金融機関の食い物にされてきた理由は、金融リテラシーが足りないことでした。見た目が儲かりそうな仕組み預金を買わされたり、不安をあおって不必要な保険に入らされたりしてきたのです。

 こういった金融商品で儲けないマイクロファイナンスビジネスを宣言する事業者が出てきたとしたら、そのサービスは低所得者層の絶大な支持を得るはずです。