返品商品の半分弱が新品市場へ
残りは中古として売られる

 返品の扱い方は会社によって違いはするものの、4段階の選別手順を踏むところがほとんどである。ひとつひとつを見ていこう。

 商品が戻ってきたとき、最初に問題になるのは「これは新品として売れるか?」である。もしそうなら、その商品は実物ないしバーチャルの棚に戻される。しかしこの方向に進んで、のちに正価で販売される商品は返品全体の半数に満たない。

 それに、開封され、使用され、箱が損傷した商品もかなりある。何を「新品」とみなすかには複雑な要素がかかわってくる。中古品を新品として売りに出すことは法律で禁じられているとはいえ、「中古」とは何かという広く認められた定義があるわけでもない。

 ともあれ、新品としては売れないとなったら商品はどうなるかというと、第2段階へ進んで「中古」「損傷あり」もしくは「返品」として販売される。

 たとえばアマゾン・ウェアハウス・ディールがそうで、「中古製品を割引価格で購入したい顧客が向かうべき信頼できるサイト」を謳っている。「返品」や「開封済み」のマークを付けたうえで、店内で返品商品を販売している企業もある。

 かと思えば、返品商品を専門に売るアウトレット店を設けているところもある。そのひとつがベストバイ社であり、返品商品だけを扱うアウトレットを13店舗展開している。この種のアウトレットで買った商品は、欠陥がない限り返品はできない。

 あるいは、返品商品に検査・クリーニング・修理等を施して、整備品(リファービッシュ)として販売するケースもある。整備品の場合、保証内容や返品条件が新品と同じことが少なくない。聞いた話によると、コンピューターを購入する場合には、わざわざ整備品を探しもとめる人がけっこういるらしい。厳しい検査をくぐり抜けているので、統計的に見て新品よりも信頼性が高いのだそうだ。