しかし、その応援されてしかるべき企画がここまで叩かれている。これまでメディア界のテレビ一強神話が崩れて、「こういうのをやっとけば数字も募金も稼げる」というテレビの傲慢が通用しなくなってきたからである。
それを察知した日テレが番組テーマを「愛は地球を救うのか?」に変更し、これは歓迎すべき決断だと個人的には評価したいのだが、叩かれ方を見るに、まだ日テレにとっては十分な脱皮と言い難いようである。
楽しみにしている人のために
立ち上がり、奮闘してほしい
来年、またテーマを「愛は地球を救う」に戻すのはさすがにゴリ押しだから、「愛は地球を救う――と思いたい」とし、その翌年はさらに「愛はどうか地球を救ってほしい――と願ってる……?」など、徐々に弱気路線を強めていけば番組のトーンも変わるだろうし、同情票や共感を獲得できるやもしれぬ。
あるいは、もう善行路線は完全に排して、開き直って「何がなんだろうと募金を集める」的な番組構成にし、募金額が1億円達成される度にくす玉が割れシャンパンがあき、マラソンはやめて24時間耐久パチンコか何かにして、儲けは寄付、スッた分もパチンコ店が寄付、という形にすれば、絶対に寄付を発生させることができるだろう。番組テーマは当然「金は地球を救う」である(「玉は地球を救う」でもいい)。
ここまで振り切れば、生々しさにクレームは出るだろうが、潔さに支持も集まるだろうし、足もとような炎上は起きないのではなかろうか。
冗談はさておき……と言いたいところなのだが、現状『24時間テレビ』にはそれくらいの革新的な変化が期待されてもいいくらい批判されている。このまま批判に晒され、先細りしながら生きながらえていくことは可能かもしれないが、メディアの覇者だったテレビが現況に一矢報いるところを見てみたいとも思う。また、もし一矢報いることができたなら、その”一矢”が次の時代にテレビが生き残っていくヒントになりそうな気がするのである。
『24時間テレビ』を毎年楽しみにしている人たちもいる。そうしたファンのためにも立ち上がり、奮闘する日テレをぜひ期待したい。