現状でこれをクリアできそうなのは、小泉氏と石破氏の2人だが、決選投票にもつれ込めば、地方の党員・党友票367は都道府県票47へと圧縮される。

 そうなると、議員票より党員・党友票で稼ぐ「30-120」タイプの石破氏は苦しく、3位以下となった候補者の陣営が、1位と2位、どちらの候補者に乗るかで形勢は一変する。

小泉氏の勝利を拒む
石破氏以外の候補者は誰か

 その意味で、筆者は、あえて、小泉氏の当選を阻む有力候補として、コバホークこと小林氏と保守派の星、高市氏を挙げたい。

 9月3日、永田町では「若手議員(当選4回以下の議員)が誰を支持しているか」を調査したリストが流出した。まだ、小泉氏らが出馬会見を開く前の調査で、態度未決定の議員も多いのだが、小林氏がぶっちぎりでトップ(33人)なのだ。その数は石破氏(18人)、小泉氏(17人)を凌駕している。

 小林氏支持に名を連ねている議員は、武部新氏(早大→シカゴ大院)、福田達夫氏(慶大→ジョンズホプキンス大留学)、中曽根康隆氏(慶大→コロンビア大院)、細田健一氏(京大→ハーバード大院)、塩崎彰久氏(東大→スタンフォード大院)など、難関大を出てアメリカに留学し、大手銀行や大手商社勤務、あるいは官僚や海外で弁護士経験があるようなキラキラした経歴の持ち主がほとんどだ。

 小林氏自身も、東大卒でハーバード大院修了の元財務官僚だが、共通して言えるのは、ピカピカのキャリアの割に庶民的で、政策立案能力が高いと言う点である。

 小林氏の欠点は、186センチと長身で見た目が良く、経歴も華やかな割に、話し方が聴衆の心に刺さらないことだ。真面目に政策を訴える姿は好感が持てるものの、小泉氏のストーリーテリングとは正反対だ。