「話し方が面白くない。そのせいか、最初に手を上げて浸透を図ってはいるものの、訴求力が弱い」(前出の旧安倍派衆議院議員)という声もある。
「まるでChatGPT」と揶揄される話し方を修正し、周りにいるキラキラな仲間たちが小林氏の知名度アップに奔走することで、党員・党友票を上積みできれば、手堅い議員票があるだけに2位に食い込む可能性はないとは言えない。
自民党の重鎮や霞が関の官僚たちからすれば、次の首相は「刷新感があり、それでいて素直で扱いやすい人物」がベストだ。
その点、小林氏は、「政治とカネ」の問題で、政策活動費の透明化などに触れた程度だ。裏金議員からすればそれほど厳しくない考え方だ。
また、財務省出身という経歴もあってか、茂木氏の「増税ゼロ」や石破氏の「金融所得課税」のような、財務省や経済産業省の感情を逆なでするような政策には批判的だ。
そのため、小林氏が1回目の投票で2位に入りさえすれば、先ほど述べた3位以下の候補者の陣営も、「無難な小林氏なら」と連合を組みやすくなるだろう。
一方、高市氏は、「刷新感」という面では40代の小泉氏や小林氏に見劣りがするものの、女性という点で一定の「新鮮味」はある。経験値も高く、相手を論破する能力もある。党員・党友を対象にした調査でも、石破氏や小泉氏に次ぐ3位につけている。
仮に、1回目の投票で、小泉氏と石破氏が1位2位となった場合、これまで主流派を形成し影響力を持ち続けてきた麻生太郎副総裁(83)、そして安倍晋三元首相という大黒柱を失った保守派の議員たちが、出番を失うまいと高市氏を支援し、1回目の投票で2位に入れば、初の女性宰相誕生に向けて大同団結することもあり得る。