今週のキーワード 真壁昭夫Photo:PIXTA

週明け9月9日の日経平均株価は一時1100円を超える下落となった。8月5日に日経平均が約4400円も大幅下落したことで、「含み損」を抱えた個人投資家も多いだろう。10月にも再び株価が暴落する「二番底」が到来する可能性も指摘される中、個人投資家はどのように頭と心を切り替えれば良いのだろうか。(多摩大学特別招聘教授 真壁昭夫)

2024年夏、台風やコメ不足に並ぶ「不安」
株価の乱高下で個人投資家がざわつく

 この夏はとにかく株価が不安定だ。8月上旬には、米国の景気先行き不安などもあり、わが国をはじめ世界的に株価が暴落した。その後、株価は回復しつつあるものの、足元で再び大幅安となる展開になっている。米国の国債の流通利回りは低下し、外為市場でドル安・円高が進んだ。

 そうした株価の動向に、動揺する個人投資家も多いだろう。1月から新NISA(少額投資非課税制度)が始まり、内外の株式で積極的に資金を運用する人は増えた。

 年初以降、円安、株価上昇が続いたこともあり、株価の安定的な上昇が続くと考えた投資の初心者は多いはずだ。しかし、株価というものは基本的に長期間上がり続けることはない。むしろ、株式市場を取り巻く環境の変化によって、株価は上がったり下がったりするものだ。だから、株価が急落したからといって慌てふためくのは全く得策ではない。

 相場が下落した局面(押し目)で、長期の目線で株式投資するのも一つの選択肢だろう。今後、世界経済の下方リスクが少しずつ高まることも懸念される。投資家自身のリスク許容量を考えて、市場の動きを冷静に判断することが重要だ。