翌朝、目が覚めると……

『イランの地下世界』(若宮總 著、KADOKAWA)『イランの地下世界』(若宮總 著、角川新書)

 どれくらいの時間が経ったろうか。その晩、私は一睡もせず踊り明かし、朝を迎えた。バルコニーに出ると、外は雲一つない青空で、恨めしいほど強い日差しが盛夏の山々に照りつけている。

 頭が痛い……割れるように痛い。見事な二日酔いである。

 それが徐々に醒めてくると同時に、今度はものすごい後悔の念が襲ってきた。昨夜の女の子たちは、いい気になって踊っていた私を、今ごろきっとピエロかひょっとこのように思って、あざ笑っていることだろう。

「穴があったら入りたい……」

 イランでもこんな気分になったときの責任は、誰も取ってくれないのだった。